| 棒術は、流祖・薬師丸隆真が、後醍醐天皇より「九鬼姓」を賜わる端緒ともなった、九鬼神流を代表する武芸である。 |
| その母体をなしたものに、鎗と薙刀の両説があるごとく、用法についても、薙刀のように円く、両端を自在に活用する技法にくわえて、殆どの形の“止
め”に「突き」をもちいるなど、二つの特質を合わせ持つ特異な棒術である。また、その「突き」の延長として投棒(なげぼう)
1が加えられてのも、
大きな特色といえる。 |
| 稽古で使用する棒には、六尺棒・半棒(はんぼう)・短棒(たんぼう)の三種があるが、通常、六尺棒を本伝とし、半棒は独立したかたちで伝授すること
になっている。また短棒は、正式には扇子捕(せんすどり)と称して、半棒の皆伝形であるが、體術に於いては鉄扇(てっせん)術として使用
し、前者を八寸(24cm)、後者を一尺二寸(36cm)として区別・分類している。 |
| なお、棒の形状については、六尺(180cm)・半棒(90cm)ともに直径七分(21ミリ)の、白樫(しらがし)材の円形直棒をもちいる。もっとも、高松澄水師範が、九鬼宗家に宛てて、片方の棒端に五つ、もう一方に四つの、合計九つの、直径八分の鉄環を一寸(3cm)間隔に嵌(は)めた棒を製作するよう指示した手紙(昭和9年2月11日附)があることを、参考までに付記しておきたい。 |
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武蔵野の葉蔭草蔭しげけれど、打込む棒は心の一本(「天津蹈鞴秘文解讀遍」巻之十三「九鬼棒術秘法遍之巻」より) |